このサイトは、有価証券報告書に載っている「平均年間給与」をそのまま並べることを既定にしています。そのうえで、賃金カーブを使って選んだ年齢の時点の金額に読み替えるモードを用意しています。 ここではその計算を全部公開します。数字の出どころも、 この方法で何が言えて何が言えないかも隠しません。
ランキングにも企業詳細ページにも、金額の出し方が2つあります。既定は「実測値」です。
| 表示基準 | 出している数字 | URL |
|---|---|---|
| 実測値(既定) | 有価証券報告書の平均年間給与(提出会社単体)そのまま。補正を一切かけていません | / |
| 年齢そろえ | 下の式で、選んだ年齢の時点に読み替えた推定値 | /?age=35 |
実測値を既定にしているのは、それが検証できる一次情報だからです。 EDINET で有価証券報告書を開けば同じ数字が載っています。 ただし会社によって従業員の平均年齢が違うので(27.1歳から60.6歳まであります)、実測値のままだと平均年齢の高い会社が上に来ます。年齢をそろえて比べたいときに「年齢そろえ」を選んでください。
順位と年収偏差値も表示基準ごとに計算し直しています。母集団の平均は実測値で719万円、35歳そろえで629万円です。同じ会社でも、 どちらで見ているかによって順位が変わります。
年齢別に出している「推定範囲 ±20%」は、目安の幅であって統計的な信頼区間ではありません。賃金カーブは会社間の差から作った1本の平均的な形で、1社ごとのばらつきを推定する仕組みを持っていません。 「この範囲に◯%の確からしさで収まる」という意味には読めない数字です。
年収偏差値は100を超えることがあります。偏差値は正規分布を前提にした指標ですが、年収の分布は右に強く裾を引くため、 上位のごく一部が平均から大きく離れます(35歳そろえのキーエンスで150.0)。 水準を読むときは隣に添えた「上位◯%」のほうが確かです。
式は2つあります。選んだ目標年齢が、その会社の平均年齢より下(若い側)か上かで変わります。
目標年齢 ≦ 平均年齢:
推定年収 = カーブ(22歳)
+(平均年間給与 − カーブ(22歳))
×(カーブ(目標年齢)− カーブ(22歳))
÷(カーブ(平均年齢)− カーブ(22歳))
目標年齢 > 平均年齢:
推定年収 = 平均年間給与 × カーブ(目標年齢)÷ カーブ(平均年齢)
若い側は、その会社の賃金カーブが2つの点を通ると置いています。22歳では業種平均の水準、平均年齢ではその会社の実測の平均年間給与。 この2点の間を、業種カーブの形でつないでいます。
会社ごとの給与の差は、若いうちは小さく、年次や等級を重ねるにつれて開いていきます。「産業平均に対する倍率は何歳でも同じ」と置くと、産業平均より大幅に高い会社では若い側が過大に出ます。それを避けるための式です。
実例として、株式会社みずほ銀行を目標年齢35歳で見た場合の計算をそのまま示します。
平均40.7歳の会社の平均給与を、35歳時点の水準に引き直しています。
出典は厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」です(e-Stat 経由、統計表ID 0003425893)。一般労働者・男女計・学歴計・企業規模計・民営事業所の値を使っています。
年収は次の定義で組み立てています。
年収 = きまって支給する現金給与額 × 12 + 年間賞与その他特別給与額
有価証券報告書の「平均年間給与」も賞与と時間外手当を含むため、定義を揃えています。
年齢階級の代表値である22、27、32、37、42、47、52、57、62、67歳の10点を取り、その間は直線でつなぎます(区分線形補間)。22歳未満と67歳超は端の値で頭打ちにします。
カーブは産業大分類17系列で引いています。表に出している東証33業種は、この17系列に機械的に対応づけています。つまり33業種が17本のカーブに集約されているので、同じカーブを共有する業種同士では年齢の効き方が同じになります。
この条件で 1,867社 を掲載しています。
「平均年間給与」は提出会社1社ぶん(単体)の数字です。連結子会社の社員は入りません。
単体従業員数が連結従業員数の10%未満の会社に付けています(173社)。その会社の数字がグループ全体を代表していないことを示します。
| 会社 | 平均年間給与 | 単体従業員数 | バッジ |
|---|---|---|---|
| 株式会社みずほフィナンシャルグループ | 1,167万円 | 2,867人 | 本社のみ |
| 株式会社みずほ銀行 | 870万円 | 23,356人 | — |
持株会社の本体には管理職が中心に在籍するため、平均年間給与は高く出ます。実際に人を雇っている事業会社のほうが、その会社で働く実態に近い数字になります。同じグループでも297万円の差があります。
これは仕様であって不具合ではありません。
東証33業種はどれも産業大分類に多対一で対応するので、同じ業種の2社は必ず同じカーブを引きます。同じカーブを引き、かつ平均年齢も同じ2社では、目標年齢を変えても両社に同じ変換が掛かるだけなので、大小関係は動きません。
平均年齢が違う会社どうしなら入れ替わりえます。実際に全組み合わせを数えると、同じ業種の2社の組のうち目標年齢によって順序が変わるのは1.7%だけです。上位50社の顔ぶれも、25歳時点と60歳時点で39社が重なります。
年齢スイッチが変えるのは、順位というより金額です。「その年齢ならいくらか」を知るための機能で、「年齢を変えると順位が大きく入れ替わる」機能ではありません。
出せるのは会社の平均です。同じ会社でも職種や等級によって実際にはかなり散ります。
連結子会社の社員は入りません。「本社のみ」バッジはその極端な場合を示しますが、バッジが付かない会社でも単体と連結の差はあります。
賃金カーブは、調査時点にいた労働者を年齢階級ごとに平均したものです。同じ人が歳を取っていく軌跡でも、1社の中で昇給していく軌跡でもありません。中途入社の人も含まれるため、同じ会社に勤め続けた場合の昇給より傾きは緩やかになります。
同じカーブを共有する業種同士では、年齢の効き方の違いを表現できません。
若い側の式は、その会社の22歳時点の給与が業種平均と同じだと仮定しています。会社ごとの給与の開きは実際には中央値1.22倍、上位10%で1.64倍、最大は株式会社キーエンスの4.32倍まであり、この開きが22歳では無くなると置いていることになります。
初任給の水準が業種平均より高い会社では、若い側の推定は逆に低めに出ます。倍率を全年齢で一定と置いていた以前の式では、最も開きの大きい会社で25歳の推定が2倍を超えて出ていました。それに比べれば小さなずれですが、ゼロではありません。
若い側と違い、平均年齢より上では「産業平均に対する倍率は変わらない」という仮定が残っています。60歳時点の推定は最大で株式会社キーエンスの2,213万円になります。ここを直すだけの根拠になるデータを見つけられていないため、置き換えていません。
加えて60歳付近のカーブは、定年や再雇用で賃金の下がった人を含む産業平均の形です。それをそのままその会社の60歳に当てています。
掲載企業の平均年齢は中央値42.0歳です。目標年齢25歳を選ぶと平均16.8歳ぶん、60歳なら18.2歳ぶん、実測から離れた場所を推定することになります。40歳(3.1歳)が最も近く、両端が最も遠くなります。
平均年齢に近い年齢ほど確からしく、離れるほど幅を持って読んでください。
補正後の金額は、ここに書いた方法で計算した推定値です。実際に支払われた額ではありません。
会社名の左に出しているロゴは、1,636社ぶんを2つの出典から取得し、当サイトで配信しています。441社は Wikimedia Commons に自由なライセンスで公開されているもの、1,195社は各社の公式サイトに掲載されているものです。 いずれも大きさをそろえる以外の加工はしていません。ロゴを持たない会社は社名の頭文字を代わりに出しています。
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